日本アルプスヨガセンターメルマガvol.11
メルマガのサンプルです(若干修正あり)。
アシュタンガヨガ練習生のみなさんおはようございます。
いよいよ寒さ極まる毎日ですが、アシュタンガ練習生のみなさんは元気にしていることと思います。
僕は机にかじりついてデスクワークに勤しみつつも(正確にはこたつ)、かちかちに固まった背骨をほぐすべくあれこれ試行錯誤しているところです。
まだ劇的な進展はないものの、ともあれ、目の前に目標があるというのは良いことだな、と感じます。
さて、今日の話題は珍しく時事問題から(珍しい)。先日行われた日米首脳会談に関してです。
各種メディアは会談は成功したとして、石破さんの株が上がっているようです。ついこの前までは売国奴扱いだったのに、この手のひらの返しようは、ほんとよくも悪くも日本的だな、と思います。笑
僕は政治に関して無知なので、全体的な内容に関してはノーコメント。
会見の内容で気になったのは、一部で話題になっていた、通訳の人の名人芸についてです。
会談で
「米国が日本の輸出品に関税を課した場合、日本は報復するか?」
という記者の質問に対する石破さんの返答を通訳の人が
「I am unable to respond to a theoretical question.」
と訳したという部分。この返答に対し場内で笑いが起きたことに対してネット上では当初色々な意見が飛び交っていたようです。(笑いが起きたのは、「仮定の質問には答えられない、というのが日本政府の定番の回答である」というジョークに対して)
ここで使われている「theoretical」という単語のニュアンスが焦点で「通訳の人が誤訳した」という指摘をした方に対して、方々から「まったく間違いではない」と訂正が入っています。ポイントは「hypothetical」という単語とのニュアンスの違いなど。
まとめの記事になりますが興味がある人は読んでみてください。
https://www.haradaeigo.com/haradeigojournal7/
(なお記事の中でコメントが転載されているバイリンガルニュースは僕がよく聞いているポッドキャストです。時事ネタのチョイスが面白いので英語に興味があったらオススメです)
この件で改めて感じたのは、ネットを含め公の場で自分の意見を言うというのは本当に大変なことだな、ということ。ちょっとしたことでもいつ何時炎上するかわからない今のご時世、それが良いか悪いかは置いておいて、声高に人を非難するのは覚悟がいることですね。
あとはやっぱり翻訳に関して。言葉は本当に繊細で、その繊細な部分が大切だということです。
僕が翻訳をする時ももちろんそこの部分に気をつけて、わからない部分はできる限り調べるようにしてますが、どうしてもネイティブの人にしか拾えない感覚というのがつきものだと感じます。
なので、翻訳の仕事でネイティブチェックはとても大切な工程です。今のプロジェクトでも、前回同様にとても優秀なバイリンガルのアメリカ人がチェックを入れてくれる予定なので、そこのところは安心しています。
言葉の使い分けは本当に難しいものだと感じます。それは英語でも日本語でも、もちろん同じです。
以前から気になっている日本語で、「淡々」という言葉があります。
これアシュタンガだとけっこう「淡々と練習する」という使われ方を耳にします。僕も昔はこの言葉を使っていたことがありましたが、今は使うのをやめました。これ、用法が複雑なので誤解を招きやすいと思うんです。
「淡々と練習する」という場合、言いたいこととしては、「フィジカルでもメンタルにおいてもアップダウンがない様子」「一喜一憂しない」「感情的に落ち着いた様子」そんなところだと思います。
「淡々」を辞書で引くと
「こだわりがない・冷静な判断ができる・物静か・関心が無い・無駄に・予定通りに・薄い」
などの意味が出てきます。一見すると練習に対して使う場合間違ってはいないように感じるのですが、用法によって微妙にネガティブな意味も含まれることと、同音異義語の「坦々」との混同があるように感じています。
「坦々」の意味は辞書では
「 1 地形や道路などのたいらなさま。「 坦坦 と続く道」 2 何事もなく時の過ぎるさま。変化のないさま。」
と出てきます。アップダウンのない安定した練習という意味ではこちらの方が正しく感じますが、こちらもやはり微妙に「平凡な様子」というようなネガティブ要素が含まれています。
なので練習を形容する場合はどちらかというと「粛々と」「黙々と」あたりが良いのかな、と最近では思っています。
「淡々と」の用法で出てくる「執着のない様子」「水のように動く様」というワードはとてもしっくりくるので捨てがたい気はするのですが、誤解を招きやすい表現は避けようという考え方となります。
この件の参考記事
知ってる? 「淡々」と「坦々」の違い
https://mdpr.jp/other/detail/2232096
坦々なのか淡々なのか耽々なのか。やっぱり上甲さんの言葉選びが好きです。@ぴあ
https://ameblo.jp/amiho0923/entry-11997076784.html
「淡々と」とは?意味や使い方をご紹介
https://word-dictionary.jp/posts/5010
なお、僕は最近「うがった見方」という言葉の正しい使い方を知りました。「ひねくれたものの見方」というのが一般的だと思っていたのですが、本来は違う意味なんですね。言葉の意味は変化していくものなので、間違いと言い切るのはなんでも難しいと思うのですが、知ってて使うのと知らないで使うのは大違い。気をつけようと思います。
この件の参考記事。とても面白いので是非どうぞ。
「うがった見方」は,良くないのか。
https://www.bunka.go.jp/prmagazine/rensai/kotoba/kotoba_002.html
さて、こんなことを長々書き出したのも、やっとAgelessの一次訳の終わりが見えてきたからです。一次訳を終えたら一度ネイティブチェックに回して、それからいよいよ上訳です。
大変ではあるけれどここからが一番楽しいところです。
上でも触れているように、言葉のニュアンスは大切で、翻訳においては辞書に書いてある単語を単純に移し替えてもそれを汲み取ることはできません。結果、直訳とは全く異なる表現になることもしばしばで、それこそが訳者のセンスが問われる醍醐味的な部分です。
気を引き締めつつ、楽しみながら取り組みたいな、と思っています。
最後に、とても有名な神翻訳を1つだけご紹介。
1946年の映画「ジョルスン物語」での主人公の決め台詞です。
"You ain't heard nothin' yet!" (直訳:あなたはまだ何も聞いてはいない!)
↓
字幕「お楽しみはこれからだ!」
本当、かっこよすぎです。この字幕をつけた高瀬鎮夫さんはかの有名な「君の瞳に乾杯」を生み出した人でもあります。天才、という言葉は本人の努力を無視しているようで好きではないのですが、やっぱり天才だなと感じます。
この件に関連する好きな記事↓
https://www.cosmo.bz/cosmonet_bn/mizo/2009/0901index.html
気づけばまた月が満ちていて、1ヶ月という時間の短さをひしひしと感じています。
登録している翻訳会社から支払い調書が届いて、確定申告の準備をまったくしていないことを思いだして少し焦ります。
1カ月も1年も、振り返ってみるとあっという間。
いつも自分に言い聞かせていることですが、1日1日を大切にしたいなと改めて思います。
みなさんも毎日を大切に、まずは今日一日をご機嫌に過ごしてくださいね!
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