トリスターナ
アシュタンガヨガの練習で大切なこと「トリスターナ」は「呼吸」「アーサナ」「目線」です。
シャラート先生が著作にも書いていることなので僕としてはそれで十分といえば十分かと思っているのですが、ここではもう少し補足しますね。
たまに質問をいただくのが「アーサナじゃなくてバンダですよね?」というもの。僕も敬愛する有名な先生の著作などにも「バンダ」と書いてあるのでそれを間違いと言う気はもちろんありません。
ですが、サーティファイドティーチャー(公式で最高位の先生)のキノ・マクレガー先生や元サーティファイドティーチャーのマシュー・スウィーニー先生の著作には「バンダ」ではなく「アーサナ」と書いてあります。
これはキノの『The Power of ASHTANGA YOGA』。「初めてマイソールに行った時、シンプルな3つのこと、呼吸、ポーズ、目線に集中するように言われた」とあります。
僕自身も直接教えを受けた先生からは「アーサナ」と伝えられています。「バンダ」はもちろんとても大切な要素なのですが、それ単体で扱うよりも呼吸とセットで考えます。呼吸が生み出すエネルギーを効果的に使うためのテクニックがバンダだからです。
バンダを意識し始めると練習は劇的に変化します。正しく練習をすれば怪我を防いだり、練習の質を高めていくことにつながりますが、あまりそこに固執しすぎると他の部分がおろそかになってしまうため、僕はビギナーの方にはそんなにおすすめしていません。まずは基礎的な体力や柔軟性、集中力を培う方が大切だと思うからです。あまり話し過ぎてもなんなので、ここではこの辺りにしておきますね。
長く教え伝えられているアシュタンガヨガの練習は、ずっと変わらない部分もあれば時代の変化に伴って変わっていく部分もあるのだと思います。また、「こうであるべき」と定められている厳格な部分もあれば「どっちでもいーよ」という気楽な側面も併せ持っています。
「つま先を伸ばすか反らすかなんてどっちでもいい」
「どっちの手で掴むかなんて関係ない」
「手を腰に当てるかどうかなんてどうでもいいでしょ?」
という風に軽く流すことが爽やかで素敵に思えるときもあるし
「それぞれのやり方にそれぞれの意図があるため両方を尊重する」
という考えもヨガらしい丁寧なアプローチ。
「ここは伝統的にこうだと決まっている」
という場合は僕が意見する余地なんてありません笑。どれが正解でどれが間違っているという問題ではないよなーと思っています。と言って自己流で練習していると先生にものすごく怒られて目を覚ますようなこともあるので、、、謙虚な姿勢は忘れないようにしたいです。
変化に対して軽やかに柔軟に対応する様が美しい立ち振る舞いに感じられることがあります。一方で、信じていることを頑なに守り続ける姿にも力強い意思を感じて心を打たれる瞬間があります。僕はどちらも素晴らしいと思います。
最後に冒頭で紹介したマシュー先生の本の中から好きな部分を抜粋します。
「ユーモア感覚はなくさないようにしてください。実践や自分自身を深刻に考えすぎないようにしてください。あなたが出会うすべての本、先生から学んでください。しかし、気楽な態度は失わないようにしてください。実践はあなたのプロセスを導く手段かもしれませんが、重要なのはそのプロセスです。」
決まりごとは大事だし練習は真剣にするものですが、何よりも楽しみながらやりたいですよね。では、明日も真面目に楽しく練習しましょう!
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