アシュタンガヨガとは
アシュタンガヨガは南インドの都市、マイソールで伝えられ世界中で多くの人々が練習する伝統的なヨガの流派の一つです。
「動く瞑想」とも称されるアシュタンガヨガは、練習後の爽快感が抜群です。
運動量が多めのヨガとして知られていますが、伝統的な練習方法で行えば誰でも無理なく始めることができ、心身の成長や変化を促すことが可能な洗練されたシステムです。
近年では出勤前にアシュタンガヨガを練習してから出社する会社勤めの方や、家事の合間に練習をする主婦(主夫)の方、またはパフォーマンス向上を目的としたアスリートの方など、老若男女問わず幅広い層の方々が、生活習慣の一つとしてアシュタンガヨガを毎日の暮らしに取り入れています。
アシュタンガヨガを始めるきっかけは、腰痛・肩こりといった身体的な問題の改善や、身体能力の向上、精神面の安定や鍛錬から美容ダイエットと人により様々です。ですが共通することは、正しい方法で練習を継続すればクオリティ・オブ・ライフの向上が期待できる、ということです。
アシュタンガヨガがもたらす、想像以上にポジティブな変化に驚く人も少なくありません。
練習中に大切なこと
アシュタンガヨガの練習中は決められたアーサナ(ポーズ)を決められた順番通りに行います。各アーサナは「ヴィンヤサ」と呼ばれる「動きと呼吸を同調させるテクニック」を用いて繋げられていきます。息を吸いながら手を上げる、吐きながら手を床につく、といったように各動作と呼吸の組み合わせが決められています。
下の図はアーサナを練習する順番を示すチャートです。たくさんのアーサナが載っていて驚くかもしれませんが、いきなりたくさんのアーサナの練習をすることはありません。はじめての方は上の二段の準備運動のシーケンス「太陽礼拝」のみを練習します。
人によりますが、最初の一、二週間は太陽礼拝とおしまいのポーズを少しだけ。太陽礼拝に十分慣れたらスタンディングのポーズが少しずつ追加されていき、徐々に練習時間が長くなっていきます。
アシュタンガヨガの伝統的な練習方法の「マイソールスタイル」で練習を行うマイソールクラスは老若男女問わず、無理なくアシュタンガヨガをスタートできるシステムになっています。詳しくはマイソールクラスとはをご覧ください。
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練習中に大切なこと、サンスクリット語で「トリスターナ」と呼ばれるものは3つあります。「呼吸」と「ドリスティ(目線)」そして「アーサナ(ポーズ)」です。
呼吸は深く、常に鼻から行います。練習中は呼吸の音を少し大きめに出すようにして、自分の呼吸の音に耳を澄ませます。
次に練習中はドリスティといって、目線を置く場所が決められています。アーサナをキープしている間(多くは5呼吸する間)ドリスティをしっかりと見つめて集中します。代表的なドリスティには自分の鼻の頭、眉間、手などがあります。
もう一つ大事にしたいことはアーサナです。これにはアライメント(体の使い方)に気をつけたり、ヴィンヤサを正確に行ったりといったことも含まれますが、体の声に耳を傾けて無理をし過ぎないようにすることも大切です。鋭い痛みや関節に違和感などを感じた際は、すぐに練習を中断して様子を観察してください。
また、自分で勝手に新しいアーサナを練習しない、ということも大切です。アーサナは通常、先生が生徒の練習の進み具合を見て判断し伝えられていきます。
多くの場合、あるアーサナは次のアーサナの準備となっているため、各アーサナをきちんと練習できるようになるまでは、安全のためにも自分の判断で次のアーサナへ進まないようにしましょう。
グル・パランパラ
アシュタンガヨガ発祥の地インドでは、昔から師匠から弟子へ、そしてそのまた弟子へと教えが脈々と直接受け継がれていく知識の継承(サンスクリット語で「パランパラ」)を大切にしており、アーサナに限らず、ヨガの教えはこのパランパラで伝えられるべきであると考えられています。